ハングルと日常

ハングルキーワードから綴るささやかなエッセイ

영화관(映画館/ヨンファグァン)

 

 

 

今日のテーマ:영화관(映画館/ヨンファグァン)

 

映画館で映画を観るときってなんとなく

特別感がある。

それも一人で観に行くときなんて特に。

 

さらに満席じゃなくて、

お客がまばらな映画館の雰囲気が

最高に好きだ。

中央から少し後ろの席に座って

大きなスクリーンを前に

笑ったり泣いたり考えたりする時間。

すごくいいではないか。

しかも両隣、前後に人がいないと、

しっかり映画の世界へ感情移入できる。

贅沢なひとときを味わえる。

 

我が家から実に徒歩5分の距離に映画館がある。

めちゃ近所。

『82年生キム・ジヨン』は

小説を先に読んでいたので

映画も泣けることは最初から分かっていた。

だからわざと夜遅い上映時間帯を

選んで観に出かけた。

 

なぜって?

 

号泣してぐちゃぐちゃになった顔を

帰り道

近所の人に見られるのが嫌だったから。

 

今時は映画の内容によって

シアターの種類を選べるのもいい。

最近は『トップガンマーヴェリック』や

『アバター』のリバイバル上映、

『한산(ハンサン)』などを4DXで観たけれど、

すごい迫力。

 

韓国の映画館の施設、かなり整っていて、

カップルシートがある映画館や

食事しながら映画を観れたりする

超VIP館なんかもある。

 

映画パンフレットの販売がないのは

日本と大きく違うところだけれど、

チケットは日本より安いし、

何より韓国映画の質は高い。

 

まだ韓国に旅行で訪れていた頃、

とにかく最新映画が

観たくて観たくて。

 

たいして聞き取れもしないくせに

何本も映画を観ていた。

 

韓国の映画、すごくいい!

とにかくいいのだ。

 

でも映画を観終わる度にね、

これ言いたい。

 

個人的には

もう長年つっこんできたことなのだけれど。

 

エンドロールが流れ始めた瞬間

席を立つのはやめてくれえ。

そんなに帰路を急がんでくれえ。

すぐに場内明るくせんでくれえ。

余韻に浸らせてくれえ。

 

あくまで非常に個人的な心の叫びです。

 

『ボヘミアンラプソディ』を

観に行った時は

この心の声は切実だった。

クレジットロールでフレディ本人が

「Don't Stop Me Now」を歌う映像が

流れたではないかあ~!!

これはすごい!ほら見ろ~

最後まで座って観てて損はないんだぜ~~

と。

 

パク・チャヌク監督の最新作『別れる決心』

も観ましたよ。いやあ良かった。

最後まで静かなる余韻に浸りたかったけれど、

早めに席を立つ雰囲気が一般的なら、

いつまでも座り続ける私はマイノリティ。

 

前の方に最後まで座っていたカップルも

마침내(とうとう)席を立った。

마침내(マッチムネ)……。

 

周りに誰もいなくなり、

掃除道具を持ったアルバイトが

ドアから覗いている。

 

いたたまれない……。

 

あそこにいる彼は

私がまだ座っているばっかりに

掃除を始められないのである。

スクリーンにはまだ

製作者陣の名前が流れているけれど、

それももう明かりのために

薄っすらとしか見えない。

 

……帰るか……。

 

いや、エンドロールが流れきるまで観る

というポリシーは曲げられない!

座り続ける!

でも……。

もうしょーもないレベルの心の葛藤。

毎回これ。

 

心穏やかに映画館を去れないのである。

毎度。

 

 

 

 

 

 

 

 

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